2021年3月10日水曜日

英検1級の勉強 

 さて以前約束していたように、今回は英検1級の試験の様子について執筆していく。これが1級を受ける予定の読者の方の助けになれば幸いだ。

 まずは二次試験から。というのも試験で喋った内容がどんどん記憶から消えていくためなるべく早く書き留めておく必要があるのだ。

 他の級とは違い、1級の2次試験は全国11都市でしか開催されない。地方在住となると泊りがけで会場に向かったりするらしいが、天下の台所大阪(の隣県)に住まう僕にとっては問題なしだ。

会場は土佐堀にあるYMCAの会館だった。9時15分までに着くように、朝7時頃に家を出て京阪の渡辺橋で下車した。会場に到着したのが8時半だった。


 

受付を済ませると試験室と待合室がある4階へエレベーターで移動。 集合時間45分前にも関わらず既に2人が熱心に参考書を眺めていた。

集合時間が迫るにつれて入室する受験者も増えてゆき、1列空けとは言え、最終的には学校の教室1つを埋め尽くすほどの人が集まった。因みに英検1級は小学生も受験するという噂があるが、この会場では1人も見当たらなかった。

集合時間になると僕含め4人が試験室に連れていかれた。試験室は4つあったので僕らがトップバッターという訳だったのだ。集合時間ギリギリに行くと試験室入室まで1時間も2時間も待たされることもあるらしいので、さっさと受けてさっさと帰りたい方は早めに会場に行くことをお勧めする。

試験室前のベンチで1分ほど待たされると入室するように指示が出た。準1級のように「May I come in?」だなんて言う必要はない。 

面接室内には壮年の男女の面接官とタイムキーパーと思しき男性が1人。コロナ禍の社会情勢のお陰か面接官と僕の距離がかなり空いていた。そして本来ならば面接官の方から手渡しされるはずのトピックカードも既に僕の机の上に置かれていた。

以下が面接官とのやり取りの一部始終。書き起こしは日本語だが、実際のやり取りはすべて英語。

「あなたは'($'!`@*/ですか?(全く聞き取れなかった)」

「ええ、そうです」

ここで面接官2人がニッコリ微笑む。

そしてトピックカードに目を通すように言われて1分間のカウントダウンが始まった。ざっと目を通していくも理由が思いつかずに いたが、一番最後の「人類は自らが原因で滅亡すると思うか?」にした。これなら何とか理由が2つ思いついたからだ。

タイマーが今度は2分にセットされ最初の難関、2分間スピーチが始まった。僕はこのトピックに対して環境破壊と核兵器の存在を理由に、スピーチを組み立てていった。そして終わったら即座に「以上です」と言って切り上げた。体感としては1分20秒程度であっただろうか。結論を言った後も話し続けてタイマーが鳴るのを待つといった戦略もあるらしいが、今更後の祭りだ。

試験は最終局面、質疑応答に突入していった。申し訳ないのだが、ここで訊かれた質問を僕は一切覚えていない。ただぼんやり覚えているのは、「とにかく人間ってものはネガティブな情報に惹かれるものなんですよ」と熱弁する僕に頷く面接官、そして 「水力発電」が言えずに滝のジェスチャーで「Waterfall!」と言っている自分のみである。そして質問の数だが、参考書には4つと記載されているが、僕の場合はそれよりも多かった。

タイマーが鳴るわけでもなく面接官の方から試験の終了を告げられた。退出する際には「Thank you」の代わりに「I appreciate your kindness」と言ってみたり、こっちから「Have a nice day!」と言ったりしてみた。

以上が僕の2次試験レポートだ。帰り道、どんよりした気分で渡辺橋駅に戻って帰途に就いた。それから合格発表までの1週間強、希望と失望に挟まれて過ごしたのは言うまでもないだろう。ある意味英検1級の受験で一番辛い時期だ。

 6回7回と受験してもなお合格を掴めない方がいるのに対し、1発で合格できたというのは正直なところ驚きだ。

次にお待ちかね、勉強法について書いていこう。

使った参考書は2冊。旺文社のアレと面接大特訓だ。旺文社の方は内容が古いものの、言葉に詰まった際や返答に困った時に使えるフレーズがたくさん載っているので受験の際には一通り目を通しておくといいだろう。次に面接大特訓。1級の面接は日本語で問われても返答に困るようなトピックが出てくるが、この本でトピックの背景や数的根拠を頭に叩き込むと良い。因みにこの本はえらくリセールバリューがいいので使う際はなるべく書きこみなどはしない方が良いだろう。

 次は1次試験だが、これは別記事にて執筆する。