2020年4月26日日曜日

バートン・ビッグス 「ヘッジホッグ アブない金融錬金術師たち」

橘玲せんせーの本で言及があったため買ってみた。2007年出版の古臭い本とはいえども、内容は13年たった現在でも色あせていない。十分に参考になるレベルである。具体的には投資方法についての指南とヘッジファンド経営の辛さだ。

大事だと思った所を書いていこう。これが教科書なら蛍光ペンでアンダーラインを引いているような所だ。

  1. 金は株や債券のリスクヘッジとして優秀。ただ金属そのものの価値は……
  2. 何の知識もないど素人が投資目的で芸術品に手を出したらダメ
  3.  お金の運用は単独で、それも完全に一人でするべし
  4.  市場の先行きは誰にも読めません
  5. バリュー株>グロース株
  6. 結局株式の分散投資が一番 
  7. 市場の暴落時で一番最悪なのは暴落自体ではなく回復に乗り遅れること 
  8. 逆神に逆神であることを悟られると途端にその効力が無くなってしまう。とにかく気づかれないようにしよう
  9. 集団思考は死に至る病(コロナ関連の政府のガ○ジムーブを見てたらよく分かりますネ)
  10. さりとて単独思考も危険。比較的少人数でお互いが信頼しあっている時が一番うまくいく
金融について何の知識もない一般人が思い浮かべる投資家と言えば、一日中モニターの前に張り付くデイトレーダーだろうが、実はヘッジファンドを経営する者、すなわちヘッジホッグもそれに該当する。勝てばインデックス投資など目じゃないほど稼げるが、そんな確率などとても小さいし、複利の力にあやかれる訳でもない。短期で売買を重ねる分税金だって余分にかかる。さらには手数料だってバカにならない。詰まるところインデックス派とバリュー派を兼任するのが最適解でねえか?というのが大まかな筆者の主張だ。

 とかく、こんな濃密な内容の本が送料込みで600円ほどで手に入ったのは非常に嬉しい事だ。良い買い物だった。橘せんせーには感謝しかない。

最後に、サイバー空間の片隅でひっそり活動するこのブログの読者諸兄に本書から一節を引用してこの記事を締めることにする。
生まれてこの方出会った中で、幅広い分野についてよく知っている人は皆四六時中読み物をしていた。例外はない。ゼロだ。狭い範囲にとどまって、何も読まずにうまくやれている人は、ありとあらゆる分野にいる。でも、投資は幅広い分野だ。だから、たくさん読み物をせずに投資をうまくやれると思っているなら、私とは考えが違う。……(中略)ウォーレン(・バフェット)がどんなにたくさん読むか知ったら驚くだろう。私がどんなにたくさん読むか知ったら驚くだろう。