僕が人生において多大なる影響を受けた作家を挙げろと言われたら間違いなく彼を指名するだろう。ナシーム・ニコラス・タレブだ。そしてもう一人は何を隠そう、橘玲だ。
邂逅は上海から帰国して暫く経った頃、暇つぶしの本を仕入れるべく立ち寄った図書館で何気なく手に取った「ブラック・スワン」だった。その独特な語り口と豊富な例示にたちまち引き込まれ、返却後にはヤフオクで上下巻セットを即買いした。手元に置いていつでも読み返せるようにする為である。
今回の「反脆弱性」もそんな本だ。予約自体は2月の下旬にしていたものの、コロナの影響で受け取りができず今になってようやく手にすることができた。当然これも返却後、ネット通販にて古本を購入した。タレブの本は1度読んだだけでは理解できないのだ。手元に残しておいて何度も読み返してやっと「そうかそういう事か!」と腑に落ちるのである。
内容はこんな感じ。
この世界には3種類の属性がある。脆弱、頑健、反脆弱。
「果ての国」の領域が拡大している現代社会ではこの反脆弱性を利用する事こそが成功への鍵となる。
どうすれば反脆弱性を手なずけられるかというと、
- バーベル戦略を取る
- どっちに転んでも得できるように予め手を打つ→オプション性の活用。
- 計画は状況に応じて随時軌道修正。
位なものだろうか。反脆弱的なライフスタイルについてはブラック・スワンでもお馴染みのデブのトニー氏を参考にしよう。
- 思ってても言わぬこそいみじけれ。
- 物理的な戦利品をきちんと見る。
かなり端折ったが、こんなもんである。
人生初のコペルニクス的転回をもたらしたブラック・スワンとの出会いから早数か月。そこまでの衝撃は無かったものの、知的人生設計を考えるにあたっては大いに参考になる本だった。