図書館で何気なく手に取った本だったが、2020年における一番の良書かもしれない。少なくとも関西の片隅に住んでいる一人の大学生の考え方に大きな影響を及ぼしたことは事実だ。読後、ヤフオクにて上下巻セットを即買いしたほどだから。
要点はこんな感じだ。
1:今までそうだからと言ってこれからもそうだと思うなよ
僕らは、というかこの地球は「果ての国」に属している。
その「果ての国」がどんなものかというと、下記の特徴がある。
1:勝者総取り
2:過去からの情報から予測できない
3:拡張可能
→一握りの成功者の足元には多数の敗退者がいる。仕事で言えば、ユーチューバーだのデイトレーダーだの芸人がそれにあたる。当たれば収入は青天井だがそこまで行くのは難しいという事だ。本文でタレブがかなり強い調子で「拡張可能な仕事になんか就いたらダメだ!絶対勝てん!!!」と述べているので、良識ある方々は「果ての国」とは対象に位置する「月並みの国」の企業を目指しましょう。例えばインフラ系とか。
2:自分の予測能力を当てにするな
確証バイアスなるものがある通り、僕らは常に自分の都合の良い方にものを考えがちだ。
だがそんなものはこの「果ての国」ではクソの役にも立ちはしない。それどころか害にしかならない。というわけでソクラテスの無知の知について思いをはせる必要がある。
3:未来予測は「当たるも八卦当たらぬも八卦」
下巻の内容は9割方これ。
アマゾンの商品ページのレビューにて「タレブは同じことを何度も何度も繰り返す」という指摘があったが、これは事実だと思う。現に「自分の予測能力を当てにするな」についてはオタク化やらトンネル化やら自作の用語で長ったらしく講釈を垂れていたが、どれも要約すれば上記の通りになる。
それでもこの本は間違いなく一読の価値があると思う。知的に人生設計をしたいと考えている人ならなおさらだ。